適切な治療を受けるには…(重度の熱傷から考える)

長文です *  *  *  *  *  *

特に急病、重度の怪我ほど、

「1.病院の設備(医療機器、設備)」と、
「2.担当するドクターとコメディカルの総合力(技術・診断、意識)」と、
「3.患者本人の力(協力・生命力・意志)」、

の3つのバランスが治療・回復に関係していて、
この条件は、時には運に大きく影響されてしまうことがある―

最近、そう思った出来事がありました。


ある日の朝、身内の一人が85%以上の熱傷を負ったと親戚から連絡がありました。
「今のうちに、家族や親戚をよんでください。」との主治医の指示で、危険な状態でした。

広範囲の重度熱傷は、一命をとりとめても、感染症などの全身性合併症のリスクが高く、彼の場合、60歳を超えた高齢者ということもあり、統計上ではとても死亡率が高いレベルの熱傷でした。(慧拉傷、[burn index+年齢] 120以上)

親族の誰もが「もうだめかもしれない」と思いましたが、いろいろな良条件が偶然にも重なり、本人にとって最良の治療が受けられ、峠を越えることができました。

☆1☆
搬送先の病院は救急で有名で、広範囲の熱傷に対応できる熱傷センターがあったこと、
また、保険適用可能な人工真皮が病院に備わっていて、スムーズに移植手術ができたこと、(保険が効かないといわれると、正直、家族は判断に躊躇してしまうかもしれません)

☆2☆
救急救命、熱傷治療の経験豊かで熱心なドクター、看護師、スタッフのもと治療と看護をうけられたこと、

☆3☆
そして、患者本人の生命力も強かったこと

そんな、いくつもの小さな奇跡が重なって、感染症のリスクはあるものの、3か月後には、自力で食事、まだ転倒しやすいですが歩行できる状態になりました。

<もし、家の近くに熱傷センターがなかったら…>
<病院に「入院が長くて手間がかかる面倒な患者」と思われて見放されたら…>
<新しい人工真皮がなかったら…>
<本人がもともと体力がなく、全身疾患を持っていたら…>

何か一つが欠けてしまったら、命を落としていたかもしれません。

特に、充実した設備と、経験あるドクター、看護師、スタッフの方のもとで、治療が受けられたのは本当に良かったです。

それに、最近の人工真皮の進歩、熱傷医療の進歩がなければ、救われなかったと思います。

患者自身も、言葉は悪いですが日ごろから「ゴキブリ並みの生命力で丈夫」とよくいわれていてる人で、性格も楽天的だったのも関係あったのかもしれません。
彼を囲む親族も陽気で、重症にもかかわらず、病室は穏やかで明るい雰囲気でした。

とりとめもなく、書いてしまいましたが、

私たちが受ける医療は、時には、運に左右されてしまうことがあると痛感しました。
すべてを運という言葉で片付けていいかわかりませんが、
現状は、小さな奇跡の連続で命が守られているんだと思いました。

自分や家族が急病・事故になったとき、適切な治療を受けられるのか、不安に思うこともあります。

救急医療の充実などの施策や、地域差の解消など、行政に任せなければいけないこともありますが、私たちが協力しなければいけないこともあります。

軽傷で救急車を呼ぶ、治療に関係のない理由で数時間クレームを入れて謝罪を強要するなど、一部でモンスターペイシェントの話を聞きますが、医療機関を疲弊させて、巡り巡って自分や家族の首を絞めることになりかねません。

解決できなければ、海外のように、民間の保険という形で優先して先端医療が受られる保証を「購入」しないといけない時代になってしまうかもしれません。

もっと一人ひとりが、日本の医療の仕組みを理解して、地域の医療に関心を持って、考えて、みんなで良くしよう!というが雰囲気になればいいですね。

↓↓後日談・退院トラブルの話↓↓

このあと、退院を迫る病院と、
まだ体力がなく体調が不安定で、感染症リスクもゼロじゃない(実際に感染症にかかって体調悪くなった)、自立した生活が困難な心配がある彼を、バリアフリーとは程遠い家(しかも事故現場)に一人帰すのは無理だという親族との間で、ひともん着あったそうです。

基幹病院としての、病院側の事情はよーくわかりますが、
退院について説明した医師から、脅しまがいの心ない言葉もあった話を聞いて憤りを隠せません。

リハビリ病院への転院など、他に選択肢はなかったんでしょうか。何にせよ、聞く限り、配慮と説明が足りない印象をうけました。

お互い疑心暗鬼。こういう結末は残念、悲しいです。
親族は、誰も完治するまでこの病院に入院させたいなんて言ってるのではないと思います。
リハビリがもう少し進んだ状態で、かつ、安全に生活できる住居を準備するまでの期間が必要だと希望しただけ。

ふと、リストラノルマがある企業の人事部と、追い込まれる社員の関係がよぎりました。

結局、役所や弁護士さんや、社会福祉士さん、知人、友人、いろいろな人に相談しながら、ひとつづつ解決してきたそうです。

あとから聞くと、入院直後から、病院とは、いろいろあったそうです。

病院だけが悪いのではなく、これが医療制度の現実。

めちゃお金があれば、差額ベッド代が高い部屋で入院延長できたでしょうが…。

医療だけでなく、一命をとりとめた後の受け入れ先、介護、自立、社会復帰など、いろいろな問題があるのだと改めて痛感しました。
 
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